起業する人の相談にのると多い質問が「個人事業主か法人か」という話です。僕は95%以上、「個人事業主がいいです」と伝えます。
3つの理由があるのでそれをまとめました。
目次
- 1 開始手続きが簡単
- 2 申告の手続き負担が少ない
- 3 辞め易い
- 4 デメリット・行政からの認可が取れないことがある
- 5 まとめ
1 開始手続きが簡単
個人事業主であれば、開業届や青色申告承認申請書くらいを税務署に届ければすぐに開業できます。
それに対して、株式会社の法人であれば定款をつくって法務局での認証を得る必要などがあります。早くて2週間くらいかかります。
それに、素人が自分で手続をしようと思ったら、調べる時間などの手間ひまがかかりかつ、印紙税として10万円から20万円近くかかります。
司法書士などに依頼すれば手数料で10万円近くかかります。
2 申告の手続き負担が少ない
クラウド会計ソフトを安価に利用できるようになりました。参考までに、悩んだ方はfreee会計ソフトをオススメします。簿記がわからない人でも簡単な操作で日々の帳簿付けや入出金管理ができて、確定申告までできるからです。
個人事業主であれば、確定申告と呼ばれる手続きを毎年3月15日までに行います。
法人であれば、決算月の2ヶ月以内に法人申告を行います。
いづれも申告が必要ですが、断然、個人事業主の方が簡単です。法人であれば税理士に依頼する方が多いかと思います。
税理士に依頼すればその分手数料で発生します。
それ以外にも、法定調書などの書類が会社に届いたりして手続を自分でやろうとすると本業の時間を割かなくてはいけません。
法人化することで、内容はひとり社長でも手続きが増えるものです。
3 辞め易い
万が一、起業が思った以上に上手くいかず、サラリーマンに戻ろうと考えたとします。個人事業主であれば廃業届を出せば済みます。(借入金が無いこと前提の話です)
それに対して、法人であれば清算手続きと呼ばれることをしなくてはいけないため、やはり手続きが必要となります。
実はここって「起業するのに、辞めること考えてどうするの?」って思う方が多いのですが、撤退戦略を考えることこそ経営者に必要なことです。
この話を経営者にすると8割近くの経営者が、
「成功するまでがんばりますので、撤退についてのことは、いまは考えたくないです」とおっしゃります。
その熱い気持ちと覚悟は伝わるのですが、いざそのような場面になると、人間は判断が鈍くなります。
正常に判断できる時に、デッドラインと呼ばれる、
「〇〇になったら撤退する」などの基準を設けるといいでしょう。
前向きな撤退ができれば、また起業すればいいだけですから。
スキーも起業も共通することがあると思ってて、適切に転べば怪我をしません。
しかし、転び方が悪いと大怪我して再起不能になります。
ある経営者は、
「身内に借金をしなくてはいけない状況になったら辞める」と決めていました。
しかし実際、1度は身内に借金をし継続しました。でも、2度目に借金をしてしまわなくてはいけない状況に陥った時、この基準を思い出し実行にうつし廃業しました。
その後、一旦はサラリーマンに戻り、また起業をして活躍しています。
4 デメリット・行政からの認可が取れないことがある
これらの話の中で個人事業主をオススメしてきましたが、例外があります。
それは、行政からの認可を得る必要がある事業をする場合です。
例えば、福祉事業所。放課後等デイサービスや就労継続支援B型事業書などは、法人格がないと始められないことがあります。(都道府県によって違いがあります)
法人格とは、株式会社だけではなく、一般社団法人やNPO法人なども含みます。そのため、起業時から法人格を必要とするケースがある場合、個人事業主という選択肢が難しくなります。
5 まとめ
そもそも、法人格が必要な事業をする方は、個人事業主という選択肢をもっていないと思います。
そのため、個人事業主という選択肢がある方は、最初に活用することが良いでしょう。
法人成りと呼ばれる手続きもあり、個人事業主が軌道に乗れば、法人化すれば良いだけの話です。
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