協力隊をオススメしない自分が、OV会だけはオススメする3つの理由 vol.0034

青年海外協力隊

そもそもOV会って何?

OVとは、old Volunteerの略です。世間で言うところの、OB/OGにあたります。青年海外協力隊は、JICAやJOCA(OV会がメインで運営される公益社団法人)との区別のひとつとしてOV会というものがあります。
帰国後の僕は、
「ワンピースでいうところの、五老星・四皇・王海七武海みたいな役割分担か・・・」と適当に解釈をしていました。
決して、誰が偉いとか上位というものがなく、それぞれ機能が違いますし、お互い敬意をもって活動をしているので、どこにいても自身の役割を見いだせると思います。

なぜ、協力隊をオススメしないの?

前段が長くなります。僕は青年海外協力隊に行った方がいいよ!って人にオススメしません。
リスクがあるからです。
怪我もするし、事故にもあうし、嫌なことは沢山起こります。
遊び半分で海外にいってトラブルを起こすと、必ず近隣の隊員に迷惑をかけます。
残念ながら、同じ協力隊がトラブルに遭ってしまい僕も悲しい思いをしました。
それに家族はとても心配します。

それでも、
「日本にいても交通事故にあって亡くなる可能性あるじゃん」
「仕事でも嫌なこと沢山あるし」
など、しっかり反論できる人、ご自身でそれらを上回る何かを持ってる人に行ってもらいたいからです。
そのようなわけで、青年海外協力隊はオススメしないけど、帰国した元青年海外協力隊には、OV会の活動は面白いことをこの記事で伝えたいと思います。

1つ目の理由:OV会って、永遠の青年海外協力隊みたいなところ(訓練所の地域版かも)

OV会ってどのような人が集まるかと言いますと、何歳になっても青年海外協力隊を好きな人の集まりです。古い隊次の先輩だと、昭和45年(1970年)に派遣された大先輩から、2023年に派遣されて帰国直後のフレッシュな方もいます。
しかも、職種も様々。訓練所の地域版のようなイメージもあるかもしれません。
各県で共通する行事は、年に1度総会と呼ばれる会合があって、会の予算・活動報告・飲み会が一般的です。それらと同時に帰国者報告会なども開催される場合もあります。

これは僕の偏見ですが、60歳・70歳の大先輩たちはなんといっても、若い。
めちゃくちゃ若いんですよ。なんというかオーラのようなエネルギーのようなものが、圧倒的に同世代の方たちと違います。
そのため、僕自身も70歳80歳になったときの自分の未来像が見えた感じもします。めちゃくちゃ馬力がいいんですよ。
それとは逆に、隊次が10違う若い方と会っても刺激をもらいます。
コロナ禍を超えて訓練所生活も変わり、時代も変わったことがあって、何か違うんですよね。
現に、僕が宮崎海外協力協会OV会の会長職を拝命してがんばろう、って思えたのって、2024年1次隊のメンバーとあってエネルギーもらったからです。
あの時も記事にしたのですが、後輩隊次にエネルギーもらうってどうなん?という価値観をもっていた僕ですが、素直に良い刺激をもらったと思えるようになったことが自分の成長にも感じています。

これらの世代を超えた青年海外協力隊のつながりを地域で味わえるのって、駒ヶ根訓練所を彷彿させます。

2つ目の理由:協力隊を今までと違った視点で見れる

これは何度でも言語化していきたいことです。
協力隊って大まかな国際協力に興味があって参加していると思いますが、帰国すると日々の生活やプライベートが優先されて、国際協力への活動は縮小します。
これを責めているのではなく自然なことなのでOKだと思っています。
僕が言いたいのは、国際協力には興味がないけど、「協力隊」という文脈は好きということです。例えば、ウクライナ戦争や支援(国際協力)にかかわるセミナーには参加しないけど、協力隊OVが開催しているインターナショナルフェスティバルがあれば、参加しよう!みたいなノリがあります。

あと、任国で出会ったパートナーを連れて帰った隊員にとっても、地方であればなおさら、総会にパートナーと一緒に参加している方もいます。パートナーも母国語を話せる協力隊と会うのが楽しみという方もいらっしゃいます。

国際協力をしているのは、青年海外協力隊だけと思い込んでいた狭い自分でしたが、各県には協力隊とか関係なしに、国際協力活動を行っている人が沢山います。
OV会を通じて、宮崎県の国際協力活動を知る機会が増えました。
いままで自分が宮崎と国際協力をつなげて考えたことがなかっただけに、視野が狭かったことに気づかされました。

そうすると、人脈がドンドンひろがります。僕は任国でも中国人やユダヤ人の友達ができましたが、宮崎でもインドネシア人やネパール人の友達が増えています。

3つ目の理由:自分が成長できる。そして、もっと協力隊を好きになれる

OV会の会長をやって1年が経ちますが、協力隊をさらに好きになりました。
協力隊の奥深さや、幅の広さみたいのを垣間見ているような気がします。
特に、訓練所も任国も隊次も違う方と出会えるのは、OV会ならではと思います。

僕が一緒にMoca(宮崎県海外協力隊の略称)を運営している副会長のお二人は、1999年と2015年隊次の方です。
隊次も職種も任国も違いますが、共通するのは同じ都道府県で、かつ青年海外協力隊が好きってこと。
ぶっちゃけここが面白いのです。
なぜか、青年海外協力隊ってだけで意気投合して役員になってくれたのです。
僕が会長職を拝命した時は変革期だったので、一緒にやってくれる人いませんか?って聞いたら、手を挙げてくれた二人です。
恐らくこの一年で仕事と家族を抜かせば、一番連絡を取り合っている関係です。
それだけ密に連絡取り合うと親近感湧きますし、俄然青年海外協力隊を好きになりました。
この3人での初役員会を海辺で開催したのが、今回のサムネイルです。

もちろん、良い部分ではなく、悪い部分もあります。
どの国でも、どのような時代でも、人間関係のストレスはつきものです。
OV会に参加すれば、ストレスはあります。9のストレスに対して、1の良いこと比率でしょうか。多分これって、任国と変わらないかもですが。

OV会で出会った協力隊から面白い言葉を教えていただきました。
協力隊募集説明会で、応募検討している方への座談会で直接聞きました。
「途上国にいくと現地の人に、心にもない言葉をかけられて傷つきます。悲しくて家をでられない日もありました。でも、現地の人が、優しい言葉をかけてくれたから家を出ることもできました。
現地の人の言葉で傷つき、現地の人の言葉で勇気づけられた2年間でした」

なんか、詩的なお話だったのですが、的を射た言葉ではないでしょうか?
OV会もこれと同じです。
脅すわけではないのですが、世代が違う、個性が強い隊員が集まると摩擦でしかありません。
僕は、協力隊関連の他団体の先輩から会議で1時間半かかる場所に呼ばれました。(僕の家は山奥なので、県庁所在地に行くまで約1時間半かかります)
「先輩、オンラインでいいですか?」
「10年間、われわれは対面で会議していますから、オンラインしません」
「あーそうですか。わかりました。欠席します」

というやりとりがあり、僕はその後、会議に欠席を貫いています。
このように書くと僕が変わり者だと思います。
自分で書いていいると、自分でも変わっていると思ってしまいました。
でも当時の僕は、自分が普通だと当たり前に思っていたので違和感はありません。

僕のスタンスとしては、無駄なことはしたくなく効率的な活動をして、しっかりとプライベートと仕事の充実は図りたいと思っています。
また、デジタルツールをつかえばそれを実現できるので、生み出した時間を対面でしかできない、食事や雑談に費やしたいと思っています。

もちろん、会議がすべて無駄とは思ってはいませんが、100%対面と言われたことに、反発したことは少し反省中です。
基本、自分が嫌なことはしないスタンスです。
古い中学校の部活みたいに、変な上下関係(しきたり)がMocaにはあって、それを後輩に押し付けたくないから、僕達の代で廃止したい思いもあって取り組んでいます。
そんなこんなを、考えたり・行動することで成長させてもらっているなーとしみじみと感じています。(任国と一緒に思えています)

だから、帰国したら1度はOV会に参加してみませんか?

まずは試しに、現役隊員の方にはぜひ帰国したらOV会に顔出してみてください。先輩隊員はとても喜びます。ぜひ、あなたの活動を聞きたがっています。
ただ、マウント取られたり嫌なことがあれば、いつでも僕に言ってください。そんな会は一緒に改善しましょう。

宮崎県海外協力協会だけではなく、九州にあるOV会に参加して、嫌な思いをしたり会の存在理由がわからないだけで、不参加のOVがいることがわかりました。
僕は、その人達がOV会が少しずつ変わっていることを伝えて、関係性だけは持ちたいと思うようになりました。
元OVがひとりでも、参加してもいいなー、って思えたら僕の活動は大成功だと思っています。

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