バヌアツ×宮崎_JICAボランティア活動から20年を経て_ vol.0033

バヌアツ

編集前記

寄稿文の第2弾。バヌアツで活動していた川崎さんの寄稿文です。
現在もバヌアツとつながっており、ご自身の専門分野ではなかった防災を勉強し、オフィシャルな活動として行っています。
バヌアツと宮崎がこれからどのようにつながるか楽しみな活動です。

バヌアツの野菜市場の様子

JICAボランティア活動から20年を経て

自己紹介(この記事を書いた人)

川崎典子
福岡県出身
2004年12月~2006年12月 
JICAボランティア(当時は青年海外協力隊)として、バヌアツ共和国に派遣され、首都ポートビラの高校で日本語教師として活動
2009年3月~2012年3月
JICA国際協力推進員として、大分県のJICAデスクに勤務
2016年1月~現在
大学教員として、宮崎大学工学部に勤務

エコでフレンドリーなバヌアツ共和国

バヌアツ共和国は大洋州にある小島嶼開発途上国で、オーストラリアとフィジーの間に位置しています。地球幸福度指数と言われるHappy Planet Indexでは毎年、幸福度の高い上位の国に挙げられるほど、人と人、人と自然が仲良く共生しています。

海を遊び場にする子どもたち

ありがたいご縁に感謝

2004年にJICAボランティア(当時は青年海外協力隊)としてバヌアツに派遣されてから20年が経ち、2025年から新しい形でバヌアツと接点を持つことになりました。それが、JICA草の根技術協力事業による国際協力プロジェクトの実施です。私が所属する宮崎大学工学部の教員たちでプロジェクトチームを編成し、バヌアツの防災教育を支援します。

首都周辺に置かれたハザードマップと避難看板


バヌアツは、頻繁に発生するサイクロンや地震といった地政学リスクを持っています。2024年12月にはM7を超える地震が発生し、大きな人的・物的被害が出ました。今後は、大規模地震による津波の発生が危惧され、津波災害に備える必要性が高まっています。そこで、小学校とコミュニティが避難訓練や教育活動・防災活動に計画的・継続的に取り組めるように支援する国際協力プロジェクトを計画しました。プロジェクトでは、約2年半をかけて、津波が発生した場合に莫大な人的被害が予想される海岸地域の小学校を拠点としたコミュニティにおける防災教育支援を行い、学校と地域の協働による実践積み上げ式の防災教育の仕組みを作っていこうと考えています。

日本でもカヴァで乾杯

結びにかえて

長年にわたる災害文化が根付いた日本では当たり前のように人々が取り組んでいる防災が、実はBOSAIという言葉になって世界に広まっており、昨今企業などが率先して取り組むSDGs(国連持続可能な開発目標)とも相まって注目されています。ですから、今回の国際協力プロジェクトでは、日本の強みである防災力を使って、私たちの知識や経験をバヌアツと共有しながら、バヌアツに調和する防災力の形にしていくつもりです。
20年を経て、「ホーム」と思えるほどに深くお世話になったバヌアツとつながる幸せをかみしめています。これからは、プロジェクトの活動報告を通して、みなさんにバヌアツのことをたくさんお伝えしていきたいと思っています。

素朴でおいしい地元の料理

参照

JICA国際協力機構 https://www.jica.go.jp/
JICA草の根技術協力事業 https://www.jica.go.jp/activities/schemes/partner/kusanone/index.html
Happy Planet Index https://happyplanetindex.org/

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