※サムネイルは、freee社の画像を転用させていただいております
なぜ、BPaaSはわかりづらいのか
昨今、BPaaSという言葉を耳にするようになりました。ネット検索や、BPaaS 求人 なんていれると、数百件・千件弱もヒットします。
それだけ、BPOと呼ばれる業務代行業と、SaaSのソフトウェアをつかったビジネスが流行っていることかと思います。
その中で、BPO業界にいる自分としては、BPaaSという言葉にピンときてませんでした。
もちろん、BPOとSaaSの融合はいいけど、既存BPOと何が違うの?と違和感を覚えていました。
誰かがわかりやすく教えてくれるのを待っていたのですが、待ちきれなくなりました。
今回はBPO当事者による再定義と問いを投げかけたいと思います。
BPOはすでにSaaSをつかっている
BPOと言うのは、BusinessProcessOutsourcingの略称です。
例えば経理業務。
経理担当者の突然の退職が起きた場合、求人を出す・派遣に依頼を出す選択があります。それ以外に、経理業務代行として依頼することも増えてきました。
外部に出すことのメリットは内省コストが下がり、また再現性が高いので仕組み化できることです。脱属人化。
特にクラウド会計ソフトの普及やクラウドサーバーなどが主流になってきたため、対面でのバックオフィスは不要になりつつあります。
そんなBPOですが、バリバリSaaSをフル活用しています。
BPO業界で働く人で、SaaSを使っていない人はゼロなはず。
とすれば、BPO=SaaSフル活用、ってことはBPaaSってことじゃん、というのがBPO業界で働く人と関係者の疑問なのではないでしょうか?
なぜ既存BPOは”改革”にならいのか
BPOサービスの依頼側の要望の1つに、業務改善があります。
担当者が辞めるタイミングでBPO会社に委託することで、3ヶ月の引き継ぎ後、業務改善をしていくことが契約内容に盛り込まれます。
もちろん、これは他人が入れば業務改善するきっかけになるので良いかと思います。
でも、10の仕事が8くらいに改善できても、2・3までに改善できるケースはありません。つまり、改善はできても改革と呼べるほどではないのです。
従来の業務の延長線でしかありません。
10社あれば10以上のSaaSをつかう必要があり、せっかくのSaaSを表面的な機能はつかえても本来の機能を活かしきれていないからです。
BPaaSとは”限定すること”である
「SaaSは何でもOKです。プロフェッショナルが対応しますから」というBPOの売り言葉に限界があるのではと思います。
もちろん、企業は売上大事ですから、この方が売上に直結します。でも、このスタイルが、BPaaSを止めているようにも思えます。
例えば、デスクトップ型の会計ソフトを導入している企業様のBPOを受託しました。業務改善込みです。そのため、半年かけてクラウド会計ソフトへ変更しました。お客様も弊社もクラウド会計ソフトとなり、ネット環境がある箇所から入力編集可能です。1台のパソコンを「14時から〇〇がつかいます」なんてコミュニケーションも不要になります。
SaaSを活用した事例かと。
しかし、その後の決算が来たら税理士にこのように指示されました。
「科目内訳書はクライアント対応なので、Excelで作成してください」と。
税務ソフトにも科目内訳書連携機能があるのですが、税理士さんがつかいこなせないから却下。
10年以上前から会計ソフトと科目内訳書は連動しているはずですが、たまたまそのクラウド会計ソフトにはついていませんでした。
しぶしぶ、税理士の要望でExcelにて入力・・・超アナログです。
何でもOKから、ボトルネックが見えてきた。改善は限定すること
会計ソフトと税理士の限定をすることを提案します。
これは一例であって、本質は”限定すること”だと抽象な表現をします。
freee会計ソフトとBPO会社と提携する税理士事務所に変えてもらうことを前提とします。
理由は、会計ソフトを統一することでfreeeの機能などを最大化することができます。会計ソフトってある程度、同じことができますが、会計ソフト毎の特徴があります。
正直、中小企業で100%つかいこなせている企業はないのではないでしょうか。もちろん100%つかう必要はないのですが、機能を覚えたり事例からの対応などはナレッジ化して更に活用したいところです。
freee会計ソフトに統一することでBPO会社のスタッフの能力があがります。複数の会計ソフトを活用できることは幅は広がっても、浅さは拭えません。
狭い領域であろうと、深さがあればものすごい強みです。
それに合わせて、顧問税理士をBPO会社提携先に変更します。
なぜなら、BPOプロセスにおいて先方が従来契約している顧問税理士と連携するのは当然ですが、コミュニケーションコストが高いからです。
税理士事務所のスタイルに合わせたり、意思疎通を図ることに手間がかかります。そして、経営者が思っている以上に、BPO会社と顧問税理士は連携していないのが実情です。
そうですよね。お互い責任範囲が明確なだけに、余計な仕事はしたくない。仕事は増やしたくないのが実情。大きなトラブルは回避はしますが、「もしかしてこことは改善できるかも・・・」と双方に思うことがあっても、共有するほどの連携やコミュニケーション能力に限界があるからです。
BPaaSとはなにか?
BPOとは、経理フローや税理士とのコミュニケーションなどの目に見えない流れを再設計する。
SaaSとは、ソフトウエアを限定的にすることで、制約が会社のルールをつくることを促す。ソフトウエアによる目に見えている流れを再設計する。
これらを統合して、BPaaSになると考えます。
BPaaSとは、業務のOSを再設計・実装・運用すること
By井口雄介
これができると、自ずと事業承継にもつながるんですよね。
事業承継って、ただ先代社長と後継者がつながるのではなく、会社の資源・人材・お客様など関係するものを引き継ぎます。
これらの礎、プラットフォームとなるのが、業務OSです。
間違いなく、営業フローや経理フローを入れ替えるのは、事業承継などの大きなイベントの時が一番です。
従業員をはじめ、「事業承継だから会社が大きく変わるのか」と巻き込みやすくなるからです。
今後も、BPOによる経理代行を行いながら、BPaaSの可能性を研究していきます。

